【再編集 2022.1.3】
皆さん、こんにちは。
元警察官の宮城慶次です。
横断歩行者妨害という交通違反があるのをご存知でしょうか?
ザックリかんたんに言うと、横断歩道を渡ろうとしている人がいたら、車、バイクは止まらないといけないという法律です。
本日は、横断歩行者妨害について記事にしようと思います。
〜〜目次〜〜
1,横断歩行者妨害について
これは日本独特の悪しき文化なんですが、横断歩道の前で歩行者が待っているのに、停止しようとしない車って多いですよね。
世界的に見ても、日本は特にその傾向が強いらしいです。
日本に来る外国人観光客が驚くらしいです。
ちゃんと法律で「横断歩道の前に人がいたら停止しないといけません」と規定しているのに、なかなか止まらない。
警視庁の公式HPでも、しっかりと述べられています。
横断歩道付近等における交通ルール1 運転者のルール
横断歩道や自転車横断帯に近づいたときは、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止できるように速度を落として進まなければなりません。また、歩行者や自転車が横断しているときや横断しようとしているときは、横断歩道や自転車横断帯の手前(停止線があるときは、その手前)で一時停止をして歩行者や自転車に道を譲らなければなりません。
横断歩道や自転車横断帯やその手前で止まっている車があるときは、そのそばを通って前方に出る前に一時停止をしなければなりません。
横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかの車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけません。
横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断しているときは、
その通行を妨げてはいけません。
横断歩道、自転車横断帯とその端から前後に5メートル以内の場所
では、駐車も停車もしてはいけません。ただし、赤信号や危険防止の
ために一時停止する場合などは別です。
2 歩行者のルール
横断歩道や信号機のある交差点が近くにあるところでは、その横断歩道や交差点で横断しなければなりません。また、横断歩道橋や横断用地下道が近くにあるところでは、できるだけその施設を利用しましょう。
なお、「歩行者横断禁止」の標識のあるところでは、横断をしては
いけません。道路を斜めに横断してもいけません。ガードレールの
あるところで横断するのも極めて危険です。また、自転車横断帯には
入らないようにしましょう。
引用元:警察庁公式HP
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/oudanhodou/info.html
2,道路交通法第何条に根拠規定があるの?罰則は?
それでは、根拠条文、罰則について見てみましょう。
条文・罰則等○ 道路交通法の条文
(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
3 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)
第三十八条の二 車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。
(横断の方法)
第十二条 歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。
2 歩行者は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除き、斜めに道路を横断してはならない。
(横断の禁止の場所)
第十三条 歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。
2 歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない。
○ 罰則等
・横断歩道等における歩行者等の優先
罰 則 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反 則 金 大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原付車6千円
基礎点数 2点
・横断歩道のない交差点における歩行者の優先
罰 則 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反 則 金 大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原付車6千円
基礎点数 2点
引用元:警察庁公式HP
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/oudanhodou/info.html
3,各地で行われている交通違反取締り
以前はあまり盛んに横断歩行者妨害を取り締まることはありませんでした。
私も警察官だったころ、横断歩行者妨害を取り締まったことは一度もありませんでした。
でも、時代はかわりましたね。
今は警察も力をいれて横断歩行者妨害を取り締まっています。
もちろん、昔から法律自体はあったんですがねw
こちら、群馬県での取締りについて記事にした内容です。
歩行者妨害摘発2.5倍 五輪へ取り締まり強化 昨年1357件[2020/07/21 12:00]群馬県内で2019年に歩行者が横断歩道を渡るのを車両で妨げる道交法違反(横断歩行者妨害)の摘発件数は前年の約2.5倍となる1357件(暫定値)だったことが20日までに、県警のまとめで分かった。
県内の摘発件数は15年345件、16年276件、17年257件と推移し、18年は553件に増加。19年はさらに急増した。今夏に予定されていた東京五輪・パラリンピックで訪日外国人客(インバウンド)の増加が見込まれていたこともあり、歩行者の安全を守るため取り締まりを強化した影響があるという。
歩行者の多い通学路や繁華街をはじめ、地域住民からの要望を踏まえて危険箇所などで重点的に取り締まりを実施している。
県警交通指導課は「横断歩行者妨害を含め重大な事故につながる違反をしないようにルールを守り、安全運転をしてほしい」と呼び掛けている。
道交法は、車両は歩行者がいないことが明らかな場合を除き、横断歩道の前で停止できる速度で進行しなければならないと定める。横断の意思を示したり、横断したりしている歩行者がいるにもかかわらず、横断歩道内に車両を進めて通行を妨げた場合、違反点数2点、反則金は車種によって6000~1万2000円となっている。
引用元はこちらから
上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/227582
4,さいごに
そもそも、自動車教習所では、「横断歩道の前に歩行者がいるときは止まらないといけない」と習ったはずですし、路上教習のときは、超慎重に運転していたはずです。
それがなぜ、運転免許証を取得してからは、歩行者がいても一時停止すらできなくなるのでしょうか・・・。
そんな人は運転しないでほしいですね。
でも、なかなか際どいのもありますけどね。
横断歩道の付近にいるだけで、「この人は横断歩道を渡らないだろうな〜」なんて思っていたら、まさか横断歩道を渡ってくるとは!!
取り締まる側も、際どいものは違反として告知しないでもらいたいですね。私がもし、際どいものを告知されそうになったら全力で否認しますけどねw 納得いきませんから。
実際ネットを見ていると、「理不尽だ!!」という声もあるようですし。
横断歩道を渡るのか、渡らないのか、きわどい人もいます。そういうときは、いつでも停止できるように、速度を落として通過しましょう。そうすれば、警察官に切符をきられかけたときでも、言い訳がつきます。状況によっては切符を切られずにすみます。
これ、めっちゃ大事です。だって、法律でそう規定していますからね。
横断歩道の前に人がいたら、必ず停止しましょう!!渡るのかどうかわからない場合は、いつでも停止できるように速度を落としてから通過しましょう。
事故がおきてからでは遅いですよ!!