皆さんこんにちは。
元警察官で、警察官採用試験合格アドバイザーの宮城慶次です。
本日は、これから警察官を目指す方にむけて、
・警察官採用試験
・警察官の年収
・警察官の階級
・警察官の給料
について、お伝えしようと思います。
~~目次~~
1,警察官採用試験
警察官になるためには各都道府県ごとに行われる、「警察官採用試験」に合格する必要があります。
受験のために必要な資格は特にないのですが、職務で必要になることを予測して「普通自動車免許」や「普通自動二輪」の資格をもっている人は多いです(マニュアル車を運転しなければいけない場面も多いので、AT限定でないものをもっている人がほとんど)。
警察官採用試験に合格した後、警察学校という研修施設で住み込みで研修をうけますが、この警察学校に入る前に運転免許証を取得するように人事担当から通達がある都道府県もあります。
試験内容は国家公務員である「警察庁」と地方公務員の「都道府県警察」で大きく異なります。今回は地方公務員の都道府県警察官になるための方法について記述していきます。
都道府県警察官になるための採用試験
各都道府県の警察本部に所属する警察官の採用は、それぞれの都道府県で独自に行っています。
大学卒業程度を対象とするI類、短大・専門学校卒業程度を対象とするⅡ類、高校卒業程度を対象とするⅢ種に分けて採用試験が実施されます。
どの区分も試験は一次試験と二次試験の2段階に分けて選考されます。受験先によって複数回試験が行われるところもあるようです。詳細はご自分が受験を希望される受験先のホームページでご確認ください。
採用試験に合格すると採用候補者名簿に登載されます。
<試験内容>
1、一次試験:教養試験、論文試験、適性検査が行われます。
・教養試験:警察官として必要な知能や、大学卒業程度(または短大・高校卒業程度)の知識に関する選択式の試験
・論文試験:思考力、表現力についての試験
・適性検査:警察官の職務上必要な素質や適性についての検査
2、二次試験:一次試験合格者に対して、心身のチェックを中心に行います。
・口述試験:個別の面接。警察官に適した人格のもち主かの試験
・体力検査:体力に関するテスト
・身体検査:警察官の職務遂行に適した身体をもち合わせているかのチェック
・健康診断:医師による健康調査 倍率は各都道府県によって大きく異なるのが実態です。採用人数の多い都道府県ほど倍率は低くなる傾向があります。
ちなみに参考として「警視庁」(東京都警察)の平成27年度の合格倍率は以下のとおりです。
・男性警察官
I類(大卒程度):(受験者数)10115 (合格者数)1764 (倍率)5.7倍
Ⅲ類(高卒程度):(受験者数)2863 (合格者数)459 (倍率)6.2倍
・女性警察官
I類(大卒程度):(受験者数)2611(合格者数)309 (倍率)8.4倍
Ⅲ類(高卒程度):(受験者数)891 (合格者数)128 (倍率)7.0倍
※平成27年度、Ⅱ類採用試験は実施されていません ※「平成28年度警視庁採用サイト」より
受験のために必要な学歴、受験できる年齢
警察官採用試験を受験するためには、高校卒業以上の学歴が必要になります。
年齢基準は、大学卒業程度のI類で21歳以上30歳未満、短大・専門学校卒業程度のⅡ類で19歳以上30歳未満、高卒程度のⅢ類が17歳以上30歳未満になります。こちらの学歴にはすべて「卒業見込み」も含まれます。ですから、高校3年生や短大2年生、大学4年生など、現役学生の最終学年でも採用試験を受験することができます。
受験時に有利になる資格
採用試験申し込み時に、資格や経歴を証明書と一緒に申請することができます。すると、その内容を試験と合わせて評価し、一次試験の成績の一部として加点を得ることができます。
加点の対象となる資格や経歴は、剣道や柔道、その他のスポーツ歴、語学力(英検・TOEICRテスト)、簿記、情報処理の資格などです。加点対象については受験先都道府県によってことなりますので、受験先の採用概要をご確認ください。
採用後に取得する資格
採用後、警察学校で取得するのが「普通二輪免許」と「無線免許」です。また、柔道か剣道の初段以上の資格も取得を目指します。都道府県によって取得の目安時期が多少はことなります。
そのほか部門ごとにそれぞれの専門に関する資格や免許が必要になることもありますが、「警察官になるため」や、「採用後すぐ」に必要なものではありません。白バイだったら「大型二輪免許」、鑑識だったら鑑識の資格などが必要になり、部門配属前にもう一度警察学校に入って取得したり、個人で取りに行ったりします。
2,警察官の給料、年収について。年収1000万円は可能か?
警察官の給料は、学歴、継続勤務年数、階級、所属する組織によって異なります。
月給が階級によって異なるため、年収も人によってかなり変わってきます。今回は、地方公務員である「都道府県警察」のデータを紹介します。
毎月の平均給与は、45万8794円です。
※警察職の給与月額合計
※総務省「平成27年地方公務員給与実態調査」より
年収は約703万円です。
※年収の算出方法:平均給与月額(45万8794円)×12カ月+賞与(152万8146円)
※賞与は期末手当+勤勉手当
次に、各種手当についてです。
都道府県警察(地方公務員)においていえば、同じ都道府県のほかの職種よりもやや給与が高く設定されていることが多いようですが、それは手当の額が大きいからということができます。
警察官という仕事は、身体を張る場面も多く、休日でも緊急の事件の対応に呼び出されることも少なくありません。
ほとんど24時間携帯電話を気にして「招集」連絡に備えなければいけないため、そのことを考えると「安い」と感じる人や家族もいます。
主な手当は次の4つになります。
・生活給的手当:扶養手当、地域手当、通勤手当ほか
・職務給手当:特殊勤務手当、管理職手当ほか
・超過労働手当:宿日直手当、時間外勤務手当ほか
・その他:へき地手当ほか
警察官の平均諸手当月額の平均給与月額に占める割合は約30%となっています。他の業種よりも手当の高さが目立ちますが、警察官に特に多いのは「超過労働手当」ですね。宿直(泊まり勤務)・日直(土日の当番勤務)・時間外勤務が減らないため、超過労働手当の比率が高くなる傾向にあります。
そして気になるのが警察官として年収1000万円は可能であるのか?ということです。
基本的に上の階級にあがればあがるほど、給料を多くもらえるのは、一般企業と同じです。
警察官は公務員になりますので、警察官の給料は俸給表で決められています。警察官の給料の表のことを公安職給料表とよばれています。
その公安職給料表によると等級が1から8まであり、8等級あるのです。階級が下からランキングのように巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監の9つの階級があります。
そして、階級の中を100個にわけることができます。 警察官の中でもっとも高い階級である警視総監になりますと年収1000万円がみえてきます。
しかし、警視総監になれる人はほとんどいないと言っても過言ではありません。定員はたったの1名です。日本の警察官は約28万人いますが、その約28万人の警察官の頂点に君臨しているといっても過言ではないです。それが警視総監です。ですので、ほとんど無理だと思います。
単に年収1000万円を目指したいという想いであれば、警察官ではなく、他の職業を選んだ方が年収1000万円を達成しやすいと思います。
3,警察官の階級
警察官の階級については、以前書きましたこちらの記事をご参照ください。私の実体験も記しております。
4,警察官の給料
警察官の給料につきましては、以前書いたこちらの記事をご参照ください。
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